2015年6月8日月曜日


















L→R (山崎熊蔵、片岡フグリ、井上Y)


「WE TALK」は片岡フグリによるニュー対談プロジェクト。

始発と閉店追い出されを目処に、あらゆるメンズとロングな対談を繰り広げます。

第一回は7月3日に行われる、片岡フグリ主催のショーケースイベント、

「MELTING SHITTY POP NEXT vol2 〜孤独の円盤〜」にも出演が決定している、kumagusuより、
山崎熊蔵(Gt)さんと、井上Y(Vo,Gt)さんをお迎えしたトークセショーン。

5月27日、ツラネ(山崎とガール一名による、デュオユニット) + s.u.z.u.k tultuuga ockestla、

二組による主催イベント「狭間にて」を終えた後、日高屋三鷹店にて。
集団投射的逃げ場の無い弾幕喧噪に包まれるミッドナイト中華食堂にて、
終電を捨てた三名の音楽野郎どもの舌戦の、とんこつラーメン油脂的なまくがドロリと開いた。


第一部  イントロ、ツラネ、労働、マザーコンプレックス



一同 今日はありがとう御座いました。

片岡フグリ(以下フ) ツラネっていうのはどういう意味?

山崎熊像(以下熊) ツラネってのは、相方の二宮ってのがいるんですけど、そいつに決めってもらったんです。
バンド名を決めるときに、歌舞伎の技の名前?かなんかでツラネってのがあるらしくって。俺は詳しくないから全然知らないんですけど、
語呂がいいから、それでいいよって感じで。ぱっときめちゃいましたね。ツラネ。
だから、特にあんまり意味はないかな。彼女に聴いて下さいって感じ。

フ 辛い音、みたいな意味かな?と。

熊 まぁそんなイメージもあるかな。片岡フグリは、なんでフグリ?

フ 最初はフグだったの。アンディフグみたいな。
意味はなくて、なんか本名でやるのは違うかなってなって、
フグでいくかーってしてたら、そん時の彼女が、フグリの方がいいんじゃない?って。

Y いい彼女だ。

熊 でも、結構しっくりきたんじゃない?

フ そう、フグだと止まっちゃうから、名前が。フグリ、、なるほど!って。

熊 フグリくんはやっぱり性欲は多い方なの?

フ めちゃくちゃやばいね。最近はエスカレートしてるね。春になって。
色々ややこしい事があって。

(深夜帯、大喧噪にてさながら花見を態を示す日高屋)

熊 、、日高屋で絶対バイトしたくない。

Y でも、吉野家でやってたじゃん。

熊 やってたけど、そこは酒飲ませないとこだから。でも、飲食は大変だった。

フ もうやりたくないな。俺もレストランでやってたけど、
「向いてない」って言われた。「今まで出逢った中で最低の人材」って言われた。

Y はっきり言うね。

フ すごい仲が良くて、店長と。クリスマスとか一緒にターキー食べる様な仲だったんだけど、仕事は本当にできなくて。「友達としてはいいけど、、」って。

Y 別れ際みたい。

熊 俺ら、今スーパーマーケットでやってるから、まぁまぁゆるくて。
俺の部門がデイリーっていう、牛乳とか、ジュースとかチーズとか漬けもんとか、みんな東洋大学(※kumagusuメンバーの出身校)のサークルの後輩とかが流れてきて、めちゃくちゃ楽しい。バンドマンがみんな働き出して。Yも居るし。

フ 最高だね、それが一番いいね。

熊 時給もまぁまぁいいからそこでやってるんだけど、
最近、試食っていう店員も、味への造詣を深めよう。ってマネージャーが、
8時くらいのミーティングの後にその時間があって、
好きなものを持ち寄ってみんなで食べる。

フ ご飯食べれるのはいいね。レストランの時は結構食べれたけど、派遣(※フグリの収入源のひとつ、単発バイト)だと無いからね。

熊 派遣とかだと、時間とか厳しかったり、ストレスたまるよね。

フ でも早く終わる仕事ばっかりで普通のバイトがなかなか始められなくなった。

熊 日雇いとかだと人間関係深まらなさそう。

フ あんまり無いね。でもたまに友達になる人がいる。

Y 日雇いだと、好き勝手生きてるひとが多いんじゃない?

フ うん、でもカメラマンの友達とかも出来て。大友良英とかを撮ってる人。
で、イベントに入れてもらったりとか。頑張ってるタイプの人もいるね。

Y 前、日雇いのバイトで逢った人は、漫画家目指してるひとで、
講談社で賞取った人だった。
で喫煙所でタバコ吸ってたら、おっさんが週刊誌読んでて、
表紙がなんかAKBとかのアヒル口をしたやつで、
そのおっさんが、「こんなの訳全然わかんない」みたいな事を言ってて、
そいつが「訳わかんないとはなんだ!」と、アヒル口の良さを、「これはこんなにいいものなのだ!」と、「この良さがわからないなんて、、」って散々説教をして、
おっさんも「あー」みたいになってて。
そしたらしばらくして担当が真っ青な顔で喫煙所に飛んできて、
そのおっさんが、ちばてつやだった。

フ えーー!すげぇおもしろい!!

Y で、しばらく出禁になったって。

フ おもしろい。

Y でも、ちばてつやは凄い良い人で、笑って許してくれたって。

フ いい話だね。

熊 いい話と言えば、Yの仲いいバンドでpretty threeってバンドがいるんだけど、Pくんっていう韓国人のハーフのガタイいいやつがいて。そいつもバンドやってて、彼のモテない友達の話してよ。

Y Pくんに「イケてない」を凝縮した友達がいて。
で、当然イケてないからさ、女の子と話が合うってことがなくて、
いつもサブカルとかに寄って、クラスのメインを逸れてフツフツとしてるやつがいたらしいんだけど、或る日、クラスの可愛い娘グループが映画の話で盛り上がってて、
そいつに「映画詳しいよね?なんかおすすめないー?」って話が回ってきて。
でも、反応できないからさ、
「あ、、あ、、」ってなっちゃって、
もう、一言。
「悪魔のいけにえーー!!」って叫んで逃げていったって。

フ (笑) 女の子は映画だと思ってないかもね。「お前らの事だぞーー!!」みたいな。
でも、なんて言えばいいんだろうね。そういう時。

熊 ダンカンバカヤロー!の曲でも、「俺の好きな映画は悪魔のいけにえ」って歌詞がある。

フ みんな好きだね。「死霊のはらわた」も、俺好き。
最後のストップモーションがかっこ良過ぎて。

Y あのへんの画質、いいよね、ざらついてて。

熊 その話聞いて、俺は彼を抱きしめてやりたいと思った。

フ 女の子と喋るのは難しい。最近はみんな指輪してるから。

熊 指輪?

フ 彼氏の。ペアリングみたいな。やる気無くすんだよね。可愛いなぁ、って思っても。

Y つばつけられてんのな。と。

フ 奪う気にもなんないし、仲良くなっても、「でもぉ彼氏がぁ」ってなったら終わりだし。

熊 フグリくんは今、彼女いないの?

フ いないよ。長い間いないね。全然モテない。

Y さっき話してたもんね(フグリ身長162〜3センチ、遺伝子の自然淘汰的な関係で、ガールは本能的に高身長を求める傾向にある。大自然の摂理は斯様にも厳しいのである。)

熊 モテそうだけどね

フ なんなんだろう。やはり遺伝子か。性格も問題みたい。

熊 見かけよりもそっちだね、俺も思うけど。

フ たまに言われる。あなたとは、「ちょっと、、」って。

Y 趣味とかより、甲斐性とか、そんな言葉を使ってくる。

フ そうだね、金もそうだけど、俺が東大とか早稲田にコンプレックスがあるのは、
そういうところもある。めっちゃ取られたからね、好きな娘とか。

熊 俺、最近ルポ中年童貞っていう本読んだけど、偏差値が高くなるほど童貞率が高いんだって。

フ あらほんと。東大に前、ギャーテーズを見に行ったけど、意外とそんな感じなのかな。って感じはあった。でも、その道すがら女子高生たちが、「これ、みんな東大生なのかな~♥」ってキャピってた。意外にアプローチはしないのかな。

熊 小さい頃から母親とかに勉強させられたりとかしてたから、
コミュニュケーションがなかなか取れない人が多いんだって。

フ 確かにみんなファッションはダサかった。
早稲田、慶應くらいが丁度いいのかな?頑張りつつも、楽しみ方も、みたいな。
東大は相当頑張らないと無理なイメージはある。

熊 で、偏差値が低くなればなるほど、遊び方を知ってるから。

フ でも、それは後10年15年したら、あっちの時代がくるよね。

Y 財力がものを言う様になってくる。

フ 昨日、銭泥棒のメソッド(2012年、日本)って映画見てて、
途中で合コンのシーンがあって、金持ちと合コンをしててそいつらが、
「金のないやつが、愛とか恋とか言ってんじゃねぇよな」って広末に振ったら、ワタシは、そうは思いません、って。それは可哀想だろう、と思って。
そいつらは金しか無いんだから、「わたしはお金がなくても」って、カッコいいことだけど、そいつらはそれで何回も振られたりして頑張ってきたんだから、ひとつの象徴として持ってる金を尊敬してあげてもいいんじゃないかな。って。

Y 金って相当凄いからね。

フ 普通。じゃ稼げないから。

熊 千葉の実家に住んでた頃、近くの駅が、つくばエクスプレスだったから、近い都会が秋葉原だったんだけど、たまにエロビデオ屋とか暇つぶしに行って、中年童貞くさいオッサンとか独身なんだなってオッサンとかいるんだけど、
金はあるから、AVたんまり買うんだよ。俺達じゃ考えられないけど、4、5枚抱えて。
ああゆうの見ると単純に切なくなる。
金はあるんだけど、女にモテないし、若い子とコミュニューケーション取れないから、出逢いも無いし、そういうところに金を使っちゃう。

フ そう思うと怖い部分はある。どうなんだろう。そうなるのかな。

熊 AVとか、アイドルとかもそうだけど、男の心の隙間を埋める稼業みたいな。
はまりたくないなー。

フ アイドル、、分かんないんだよね。15歳のガキに「泣いても良いんだよ。」って言われたくない。
男は勝手に泣くんだよ。って。聴いて本当に泣いているのかは知らないけど(笑)

Y アイドルとか好きになる?女優とか。

フ なる。あったね、本格的に好きだった。写真集とか買って。

Y 俺はあんまりないな。

熊 ハマってみよう。と思った時はあったんだけど、やっぱりそこまで本気にはなれなかった。AKBのCDをさ、何十枚、何百枚って買ってって。それと比べたら、ハマれないなって。

フ 過剰な何かになってる気はするよね。フラストレーションのぶつけ先みたいな。

熊 中年童貞の本読んでたら、何かの為になりたいんだけど、若い子とかとコミュニケーションが取れないから、誰々は俺が育てた!ってなりたい。

フ 子供もいないしね。

熊 やっぱマザコンが多いらしくて、30過ぎて実家住まい。
母親に全部任せられるし、ちょっとミスすれば、怒鳴りつけたり。
心の中で、依存しながらも憎んでる。っていう愛憎。
そういう人に本当に必要なのは母親じゃなくて、厳しいお父さん。
そういう人は、モテたいヤりたい。っていうより、コミュニケーションをとれる様に、
自分自身を自覚した方がいい。

Y 伊丹十三のさ、あげまん(1990年、日本)って見た事ある?
そのまま、あげまんが出てくる話なんだけど、大学の図書館のレーザーディスクのジャケに、精神学者と伊丹十三の対談が載ってて、あげまんと付き合う人は、凄く浮気をする。
浮気性の男に、あげまんの女が来て、一時的に仕事は上手くいくんだけど、結局浮気に走っちゃう。

フ あげまんって凄い言葉だよね。

Y マザコンに繋がるけど、浮気性の男の精神構造は、親離れ失敗なんだって。
昔の資料だから、今はどう解析が進んでるのかは分かんないんだけど。
それだと、母親に対する依存心があって、子宮の中の心地よさ。
みたいな安心感ってのをセックスに求めちゃう。
ある女とヤって、母親の心地よさを求めるんだけど、絶対に手に入らないから、
これは違うのかも。って別の女にいくっていう。
モテるやつは浮気性で、モテないやつは中年童貞。悲しい。マザコンに逃げ場はない。

熊 やっぱ二つとも安心を求めてるのかなーって思う。
愛されてて、浮気性も最初は凄い愛されてるけど、付き合ってると面倒くさくなってきて、気を使わない新しい女にいっちゃうって事なのかな。

フ 浮気ってした事ないよ。

Y 俺もないよ

熊 俺もないよ

 (一同笑)

Y 俺達は親離れできてる。

フ できてるかな、、俺はマザコンだと思うよ。

Y 俺も好きだよ。

フ あっちが優し過ぎるって部分はある。

Y みんな好きでしょ、母親とか。

熊 まぁ、嫌いっていうと印象が悪い。

フ めっちゃお金くれるからね。帰った時とか。
めちゃくちゃ心配されてる。
何も出来なさを分かってる気がする。

熊 俺も米、送ってくれる。学生じゃないのに。

Y 俺もくれるよ。

熊 たまに電話もかけるしね。


フ 母親を求めてるんかねー。

(第二部へ続く)



第二部  形、ギャル、本、パフォーマンス、コンセプト


フ 誰かを好きになったら、その人の形に寄せようとしちゃう。趣味とかじゃなくて。
前、細い人が好きになって、凄くダイエットをした。その人になりたいなーって思って。

Y 純粋なのかな?

フ なんか、その人が欲しいなって思って、じゃあ、なろうかな。みたいな。
しゃべり方とかも真似したりしちゃう。

Y 口癖とかがうつるのは分かる。
好きなひとじゃなくても、仲良くなると口癖はうつるね。

熊 フグリ君は太ってたの?

フ そうでもないけど、今の10キロくらいは増しかな。

Y 今、何キロ?

フ 今53くらいかな。

Y ふくよかだったんだね。

熊 53は痩せてるね。

フ 東京きたときは47くらいまで一気に落ちたけどね。

熊 俺、でも落ちた方だよ。元々70キロくらいあって。
走ったり、一人暮らしになって。それもあって、今は60くらい。

フ 食べなきゃ痩せるよね。

熊 単純にね。昔、白滝しか食わない知り合いがいて。
本当にガリガリになっちゃって。大学時代の知り合いなんだけど。

Y 病院行って、問診の時に、最近なに食べてますか?って、
白滝しか食べてない、って。そりゃ痩せるよね。

フ 栄養ないよね、もやしより駄目。

Y 信号待ちでお母さんに手をひかれてる小さい子が「ママ!ドビーがいるよ!」って(笑)
風で浮いちゃうんじゃないかってくらいに痩せちゃって。

フ それはなんでなの?

Y なんだろう、コンプレックスがあったのかな。

フ 女の子には多いよね。

Y 不思議なのは、みんな歯止めが利かなくなるよね。
ここまでいったら、って形で留まらない。

フ 達成するのが怖いのかも知れない。
それは、彼氏なり誰かが言ってもあんまり意味ないんだよね。
俺もそういう女の子に、「俺は凄く君のことを可愛いと思うよ」って言ったけど、
「まだ足りない」って言われた。「片岡さんだけに言われても意味がない」って。

熊 バンドとかもそうなのかな。一人二人にイイって言われても満足できない。

フ でも単純に正直な人かな。と思うけどね。足りないっていうのは。

熊 kumagusuはもっと良いって言われたい。

Y ギャルに。

熊 ギャルにはいかないでしょ。ギャルにキャーって言われるより、年上の人にイイねって言われるくらいだと思う。

Y マジ、熊サイコー!!って。

フ ギャルね、ガキ?ガキとギャルは違う?

Y 思うんだけど、自分がどんなにカッコ良くても、ルックスじゃなくて、精神的に満足のいく成熟をしても、ちょっとしたことでギャルに「あんた無いわ」って言われたら全部終わる。ギャルの発言力はやばい。ギャルに否定されたら終わる。暴力性。

フ ギャルは代弁者。

Y ニーチェがいいこと言っても、ギャルが否定したら終わりだよ。

熊 単純に価値観の違いだね。俺達が異性にコンプレックスを持つから、ギャルにそう感じるだけじゃない?

Y でも、あれが健全だなって気はする。「つまんな」で難しい話を終わらせられる、
何処かに良さがある。

熊 哲学なんてつまんないと思うよ。哲学でモテてるやつなんて見たことない。
モテてるやつは他のコミュニュケーションと、顔のスペックがいいとか。
呑みの席で哲学の話しても面白くない。

フ 哲学な。そんなに面白いとは思わないかも知れない。

熊 単純に、細かい答えの出ないことをゲームみたいに考えてるのかも知れない

フ なんかね、可愛らしさが感じられない

熊 でも、そういう本読んで発見はあるんだけどね。創作のヒントになったりするし、俺は本はまぁまぁ読むし。好きだけど。まぁつまんないっちゃつまんないのかな。

フ 神秘主義は読むけどね。

熊 神秘主義?

フ 死んだら何処にいくか?的なことが根っこで、人と人との繋がりとかを考える学問。

熊 宗教的なものだったりするんだ。

フ そうだね、神とは?みたいなね。

熊 どういうのがあるの?

フ シュタイナー、とかが多分第一人者のひとで、あの人の考え方は、死んだらでっかいモノになっていく、その中の部分になっていく。それはチベットとかの考え方に近いものがあって、他人は自分の一部だし、自分は他人の一部みたいな。
他人がなにかわがままを言っても、これは自分だから、怒ったりしない、みたいな。
















熊 すべては繋がっている。みたいな?

フ そう。

熊 宗教っぽいね、西田幾多郎とか授業あったけど、そんな考え方だったね。

フ いいね、あの人も好きだよ。

熊 俺、一応哲学科だから読んだりしたけど、全然憶えてないな。
善の研究とかさ。授業で読んだけど、そういう感じの考え方。

Y 禅ってなにするの?

熊 禅じゃなくて、善ね。仏教のやつじゃなくて。








Y それは考え方っていうのはどういう?

熊 今説明できるほど憶えてない(笑)
俺もほとんど不良学生だったから、語れるほど憶えてない。
ましてや俺、卒論は即興演奏についてだったからね。

フ インプロヴィゼーション。

熊 佐々木敦とか、そういう批評家とか参考にして、なんとなく書いたね。

Y でもちゃんとやってたじゃん。

熊 ちゃんとやったよ、一応Sくれて。

フ 佐々木敦か。最近読んでるよ。ムサビだよね

熊 そうだね、いま確か早稲田だけど。多摩美だったら、椹木野衣とか。

フ うん、いるね。

熊 授業とか受けてた?

フ 受けてたけど、結構基本的な、音楽の歴史とか、
ブルースとかの根本とか。あんまり込み入ったことはやってなかったな。
中沢伸一も授業受けたかったな、あの人の本も好きだから。

熊 椹木野衣の、シミレーショニズムとか読んでたけどね
















フ どんなやつ?

熊 コピーアートとか、ヒップホップ、マイクミドルとかのピカソの贋作とか、サンプリングとかそういう文化についての本。
あと、飴屋法水とかのヴァニシングポイント、あれの批評とか好きだけどね。
影響受けてて、ツラネにも繋がっている。「喪失」っていうテーマ。
知ってる?

フ ヴァニシングなんとかは聴いたことあるな。

熊 飴屋法水自身が大きい箱に入って、展覧会の間、20何日間その中で暮らしてた。
彼自身が喪失しているっていう。

(http://www.performingarts.jp/J/art_interview/0911/1.html)

証明写真とか、顔だけが無くなった自分の姿を撮ったり。
あと、文字とか文章とか、その文字が一文字ずつ消えて行ったり。
なんかこう、あったものが失われているっていう奇妙さとか、
侘しさっていうのは影響を受けてるね。

フ 最近はこっちに管理させるパフォーマンスから、
最近はそういう方にいっている感じがするね。
昔あったので、入口に裸の男女が立ってて、そこを通るには、
その二人に触らなければいけないくらい狭い。触れ合わなければいけない。
その時のお客さん側の感情はどんなことになるんだ?
みたいなのがパフォーマンスアートでよくあった。
裸の男女が直接こちらにアプローチしてくる演劇とか。
そういうものから、最近はパーソナルなものに移行してきてるのかな。

熊 フグリくんは、歌のテーマみたいなものは、自分っていうのが大きいの?

フ 自分っていうか、なんだろう。テーマとしてはもっと、大きな、回想っていう。

熊 エキスパートだもんね。(片岡フグリ、回想論エキスパートを標榜)

フ そう、それは一番根っこの部分で共有出来る感情っていう概念。
懐かしいって思う概念は、みんな共通として持ってるだろうから、
それを共有したいっていうのがあって、その上で俺の経験とかを糸口として歌ったりする。だから、お客さんに感じてほしいのは懐かしいとかその根本的な「感情」だけ。
なんだけど、今やってるライブとかでは、そういうのじゃ無い歌もあるし、
商業的な、自分を出してくっていうのが必要ではあるけど、最終的にはそこかな。
だから、言葉がある必要があるのかも分からないね。

Y なんかこう、確かに絵とかを見てて、なんかわからないけど懐かしい。ってことはあるよね。いつか昔、幼少期にそれを見たとか、覚えが無いのに懐かしいっていうのはなんでなんだろう。

フ 作家っていうのは、そういう時を越えたものになっていくしかない。
今、歌っているけれど、その今を見にきてくれてる人だけじゃなくて、
例えば自分が好きになった歌が30年前とかの歌でも、
本当に感動すれば、それは自分に向かっての歌だと思ってもいい。
それが出来た時に、どんな影響下にあって作ったか、それは誰かに向けての歌だったのかも知れないけど、いま自分が再生してそれに感動したってことは、
自分に向かって歌ってる歌なんだ。と思ってもいい。
だから、作ったそれをレコーディングして残す。っていう行為は、そういう先の未来の誰かに向かってのメッセージ、手紙をボトルに入れて海に流すのと同じなんじゃないかな。

熊 不変性を大事にしたい?

フ そうだね、だから「感情」みたいなものになってくる。
時代を切り取るっていうよりは。

熊 何にでも通底してるものっていうか、特別な何かとかじゃなくて、
なにか繋がったものだよね。そこに流れてるものっていうのは。

フ そういう意味ではフォークではない。

熊 確かに、フォークってのは時代だもんね、岡林(信康)とかも。

フ まだあの人の言いたい事は繋がっているものがあるけどね。
ああいう、今になって学生運動とかが無くなってっていうのはあるけど、あの人の歌っていた感情っていうのは、まだ繋がってるものがあるし、今の時代も同じだなって所もある。

熊 共感する部分はあるね。そういうのは、Yはどう思ってるの?

Y 不変性?

熊 だったり、どういうものに共感してほしいとか。

Y 難しいよね、なんか。俺は後先の事は考えてないけど、すごく自分勝手だと思う。
でも、最終的に残っていって後世で聴く人がいて、何かの感情を持ってくれたら、それは一番理想の形だと思う。

フ 確かに、共感するのもそうだけど、それがイコール懐かしさに繋がるのかも知れない。経験したものがあるから共感をする訳だし。

Y 懐かしさを感じるものは、絵でも、俺の中では視覚的だったり聴覚的だったり、匂いが想像できるのが懐かしさかな、って。

熊 匂いが一番記憶と結びついているっていうからね。

フ プルースト効果だね。

Y 情景みたいなものが、匂いとリンク出来るのが、懐かしさかな。

(第三部へ続く)
第三部 曲、バンド、シーン、理想、空洞


フ ふたりは、偶然出逢ったの?

Y サークルでね。(熊は)最初、ドラムだった。
サポートで手伝ってもらってて、最初はちょこざいなドラミングをしてたんだけど、
練習入る度に下手になっていって、ギターに落ち着いた。

フ 最初からkumagusuって名前だったの?

Y うん。

フ 珍しい感じがするね。

熊 でも、(エレファント)ノイズカシマシも、ノイズカシマシ?

フ そうだね。

Y なんか曲を作るとき、最近思うのは、理論とかもそうだけど、
やっぱり経験が一番だなって。

フ 経験?

Y それはバイトでもいいし、変な人を見かけるのでもいいし。

熊 経験が一番残ってくってのはあるよね。
それこそ、難しい哲学書頑張って読んでも経験したことの方が残ってるね。

Y どっか行った、とか、誰と何を話した、とかそういう事の方が大事。

フ 哲学の歌とか無いもんね。作らない。

熊 フグリくんは演奏してる時、間を溜めたりするじゃん?
あれは意識してやってるの?

フ ココに音が欲しいなーみたいなのをやっているだけかな。
ココでこういう音が出したいな。っていうのがその場その場であって、それを当て嵌めていくみたいな。ノイズカシマシでもそうだけど、メンバーの個性を出していこうっていうより、でっかい座標に当てはめていくみたいな。美術でもそういうやり方はあるけど、ここにコレがあったらいいなっていう。

熊 それはX軸、Y軸みたいなこと?

フ なのかな、でも平面じゃなくて、3Dのカンディンスキーみたいな感じ。
ノイズカシマシはパートとしてそれをやるけど、フグリは一人だから、瞬間瞬間で置いて行くってのある。
例えばギター間違えたりしても、ここでこういう音出しちゃったんだったら、
次でこういう音を出せば繋がるかなー。みたいな。即興だね。

熊 kumagusuの曲とか聴いてどういう風に思う?前は細かいねって言ってたけど。

フ 細かいっていうのは、CDとかを聴いてたら、最近、羅針盤を聞き直してたんだけど、凄く細かくて。一番と二番ではフレーズが違ったり、シンセが裏入ったり、シンバルが左右順番に鳴っていたりとかして、そういう飽きさせない細かさ。
聴けば聴くほど、の遊びをしてる感じ。そういう細かさ。
エンターテイメント的にもいいよね。

Y 俺自身がAメロの繰り返しってのが上手くできなくて、所謂AメロBメロサビっていう流れが凄く苦手で、だから必然的に変わっていく。細かい作業で飽きさせないみたいになっていく。

熊 俺達の特徴として、ジャーマンロックとかミニマルなものが好きだったりするんだけど、なかなか出来ない。10分とか、そういう長いスパンの曲を作るっていうのがなかなか出来ない。短くポップにまとめようと。CANとかに影響は受けるけど、構成を作ったりしちゃう。

フ 歌詞は後から考える?

Y 最近は同時進行。前は完全に後からだったけど。メロディーもなくて、後から。

熊 俺が曲作ろうか、みたいな時もあったけど、
全然雰囲気が違くてボツが多くて。今は任してる。
kumagusuはYのバンドだな。それで、ツラネを始めたってのもある。
だから、アレンジは皆でやるけど、作曲はYに全部任してる。
一貫性を持たせたいし。

Y フレーズとかもスタジオで合わして、帰って俺が聴いて、
合わないなってところは違うって言って何度もやるから、時間かかっちゃうね。

熊 バンドって、一人強い人がいて、バンドの力もあるけど、リーダーがしっかりしてるのが一番良い形なんじゃないかな?極端な形としてはエレカシとかが、そうだと思うし。

Y いいバンドってやっぱりそういう所に現れてくるんじゃないかな。
民主的な形ってなかなかありえないんじゃないか?
そういうバンドもいるのかも知れないけど、なかなか難しい。
一人の人が強い個性を持ってて、その人に合わしていくのが一番やりやすい方法なんじゃないのか。

フ 個性がみんなあったら、それぞれ何か他にやるべきだもんね。

Y 例えばパンク、ジャズだったりジャンルによった所があれば、個性ってよりは、もっと根強い共通してわかるものに寄ればいいけど、これという何かじゃないから、誰かが主導権を持っているのがやりやすいんじゃないか。

熊 フグリ君はバンド時代どうだったの?

フ え。

熊 バンド時代。

フ どういうこと?(執拗に聞き返すフグリ)

熊 誰がリーダーとして。とか。

フ 俺だったかな、一応。

熊 バンドが、やっぱり凄くやりたかった訳じゃん?

フ やりたかったね。今もやっていいかな?って思う時はあるけどね。
高校のときは全部俺が作ってて、ベースボーカルをやってたんだけど、



















ギターも土台は大体作ってたけど、タキグチ(滝口敦 現、ニューレミングス)が入って、

アレンジは任してた。熊ちゃんっぽいポジションかな。

でもずっと彼は富山に住んでて、練習も出来ないから、ライブ前に一回スタジオ入って、考えててくれたフレーズ試して。
「あーいいんじゃないー!?たのしい~~!!!」みたいなそんな感じ。 
「たのしい~~!!」みたいな(笑)。みんなそれで良かった。はず。
めちゃくちゃわがままだったのかも知れない。
東京出てきて上手くいかなかったのはそれでかも知れない。

熊 理想のバンドの形ってのはなんだと思う?

フ なんだろう、とことん付き合ってくれて、それを強いる事が苦痛じゃない状態。
例えば、同じフレーズを三時間ずっと練習しようって言って、やろう!ってそれを発言することに憚りがない状態っていうのが良いなと思う。気を使わない。
逆にやれよ!そのくらい。って言ってくる。

熊 その人の強い個性がバンドとして強く出てるってのがいいよね。
でも、やっぱりバンドはソロじゃないんだよね。

Y 強いリーダー、個性出すだけじゃなくて、引き出せてるのがいい形じゃないかな。
メンバーのクセをまとめられてる感じ。

フ 今はみんな忙しいからね。高校の時は、誰も忙しくなかったから。

Y 単純に時間的にね。

フ スタジオとってやらなきゃいけなくなったから、
前はガレージで6時間でも7時間でも練習できたから。
今は3時間だったら3時間でなんとかしなきゃいけない。難しいなって思う。
バンドをやりたいなってたまに思うけど、やるんだったら、
俺の曲を分かってくれてって人と、それをデカくしていくイメージ。

熊 バンドってなかなか表現として難しいよね。絵ともやっぱり違うでしょ?
絵は一人で描いて、自分のイメージをどんどんぶつけていく。緻密に、10時間とか。
勢いのまま描いたりもするのかも知れないけど、バンドは共同作業だからね。
衝動をぶつけるとかよく言うけどなかなかそんな感じでもない。

フ ブレーキかけなきゃ、まとまんないからね。

Y 理性がないと出来ない。

フ ノイズとかは特に、気が使えないと出来ない。誰かとやるとなったら。

熊 セッション的なこと?

フ それもそうだし、自分を制御どこまで出来るかっていう。

熊 バンドだったらノイズ系の人だと、セッションだったら、エゴのぶつかり合いが面白かったりするのかも知れないけど。音の喧嘩みたいな。

フ インプロヴィゼーションってそうでしょう。基本は他人の音を聴かない。

熊 集団投射とか。














フ 爆音で壁をつくっていくみたいなね。

熊 でも本当に上手い人って、もっと気を使い合いながら、エゴをぶつけたり、構成を作り合ったり、上手いひとはやるけどね。

フ それは多分、個々で活動して名前があるからだと思うけどね。
ノイズカシマシとかっていうのは、座標を探してくみたいなバンドだから、
ラップトップのMac二台で出来ることを、五人でアナログでやるみたいなのがやりたいから。二人で制御できる事をパート分けてやってくみたいな。
だから出すべき音はあるけど、流れの中で、それを出していく。
だから個性はそんなにいらない。引く所は引いていいし。

Y それはバンド的だね。

熊 どの段階で座標の共有みたいなことをする?

フ なんだろう、それは俺が思ってるだけかも知れないけど、みんな出すべき音は心得てやってると思うんだよね。

熊 じゃあ明確に言葉にしてって言うよりは、合わせながら探っていくみたいな?

フ そうだね、その方がいいかなって。

熊 むしろそっちの方が分かりやすいってのはあるかもね。

フ 駄目な時はみんな駄目だしね。それは良い所だと思う。
今日よかったねー!いやぁ俺は駄目だった、、っていうのがあんまり無い。

熊 俺たちはけっこうバラつくかも知れない。俺は良かったけど、リズム隊は落ち込んでたりね。

フ それは曲って枠組みがあるからかもね。

Y それぞれやる事が決まってるからね。

熊 俺はテンション上がって、よかったなー。みたいな感じでも、タイトにやれなかったって二人は落ち込んでたり。でも最近は結構楽しくライブやってるかな。
昔、ベースのモジャさんが入りたての頃は、良いライブはそんなに出来なくて、イライラしたこと結構あったけどね。
最近彼も上手くなった。

Y ライブは、最近は俺が良ければいいよ。みたいな。

熊 平均点はいける様になってきたね。

フ プロになったら80点キープは必須だね。

熊 とりあえず演奏はちゃんとしたい。

Y でもバンドは楽しいよね。

フ 楽しいね。

Y 不思議な作業。みんなでやる。

熊 俺達、そんなに同世代で似た様なバンドがいない。
色んな人と対バンしたけど、どこのシーンにも交えられないなってのが実感としてあって、俺達でやってくしかないのかな。って事を最近話したね。

Y 自分の居場所はね。

フ それはあるね、自分の生きる場所は自分で掴み取る。転職は戦いだ。

熊 フグリくんはこのシーンに入って行きたいとかある?

フ 全然興味ないね。むしろ嫌だから、頑張って一人でやってかなきゃ。
シーンって俺、嫌いだから。今入るってなったら頭下げなきゃいけない。
物理的なことじゃなくて、こういうの始めましたーよろしくお願いしますーって。

Y 絶対嫌だよね。

フ だったら、大変だけど、作っていく。
それがシーンになんなくてもいい。

熊 そういうシーンに入ると、先輩後輩みたいな、
本人としては無いと思ってるかも知れないけど、立てなきゃいけないし。

フ 自分より凄い人がいるのが嫌だ。

熊 でもシーンって分かりやすいじゃん?極端な話、ハードコアもそうだし、
入ったら名が知れるのが早くなるとは思う。
結果的に入れなかったから、自分たちで探してかなきゃならない。
だから、シンパシー感じてるのはフグリ君だったり、同世代ってのもあるし、
歌を大事にしてオルタナティブをやってるなーって思う。

フ なんか、それで信用を手にしたら、俺の企画、良いと思った人しか呼ばないから、
俺が信頼を得て行けば、みんな来てくれる様になるんじゃないかな。
ショウケース的な感じで呼ぶけど、毎回違う人を。
それはシーンじゃなくて、個人的に信用されて、フグセレクトなら面白いんじゃないかな?って。みんながそれぞれ、そうなっていったらいいなって思う。

Y ジャンルとかじゃなくてね。勝手にやるしかないよね。

熊 前はちょっと媚びたいなって気持ちはあったけどね、無いか?

Y 無いよ。

フ 誰に媚びればいいんだろう。

熊 媚びたいって気持ちはまったく無かったけど、レスポンスくるだろうっていう奴から無かったりはしたよね。求めてくるだろうと思ったら、来なかった。

熊 どういう風に見られたいとかはあるの?

フ 見られたいっていうか、
SIONが俺、凄く好きで、伊集院光がラジオで、SIONを、
最近は行ってないらしいんだけど、一年に一回くらい、前は見に行ってて、
「最近、あの人はなにを考えてるんだろう?」って見に行くらしくて。
どういうこと考えて、新しい曲作ったんだろう?
みたいなのを確認しにいくみたいな感じで行ってたらしくて。
でもそれは、一年に一回でいいっていう。
俺はそういう風になりたい。
一年に一回くらいでも俺を見にきてくれて、今、フグリはどういう事を考えて曲作って、
どんな話をすんのかなって見にきてもらって、ああそうなんだ。
今こんな感じなんだな。よし、俺も仕事頑張ろう。って。
それが毎回100人くらい居てくれたら良いなって。
それが理想。
ずっとずっと付いてきて欲しいとは思わない。
そっちはそっちで頑張って働いてくれよって。同世代の人ってのは、
地元帰った時にみんな就職してるやつとかと喋ったりしてて思うのは、
こいつらの為にやりたいな。っていうか、こいつらも頑張ってるし、
俺も頑張ってる。っていう関係性として、いつまでも酒飲んで行きたいな。
っていうのでやっていきたいな。っていう。
それも、正月しか逢わないから、一年に一回報告し合って、
又お互い頑張ってこうぜ。って俺は働くし、お前は音楽やってて。
みたいな感じが一番いいかな。

熊 いやらしくないよね。

フ 一番理想かな。

熊 地元のやつに自慢できる存在になりたいとかじゃない。

フ 俺も尊敬してるしね。働いて頑張ってるやつ。
未だに誘ってくれて酒飲もうってなって。
就職しろーとも言わないし、自慢話もしないし、
金ないからおごってくれたりするけど(笑)
その関係っていうのは、いいなーって思う。お前もいっぱい稼げよって、
俺なんかに年収負けてちゃ駄目だぞみたいな。やるんだろお前は。みたいな、
そういうの嬉しいね。エレカシ、俺たちの明日みたいな。
エレカシってそういうバンドだと思う。

熊 そこで俺はビッグになってやる、じゃなくて、年に一回俺のこと気にして見にきてくれる人がいればいいってのは凄くいいね。

フ みんな頑張ってるからね。俺に人生懸けなくていいよ。
そこまで欲しくない。追っかけなくていいよ。
だから、高校生とかはそんなにどうでもいい。

熊 高校生に好かれて、ロッキンオンジャパンにも出てとかさ。
小さくてもいいみたいな感じ、売れなくてもいいって事じゃないんだけど。
小さい中で自由になってやるってのはあるね。

フ 売れるっていうのは、食えたらいいってレベルではある。

熊 フグリ君は今弾き語りだけど、バンドやってて、
みんな「うおー!」って盛り上がって凄いモッシュしたりとか、
キッズが来てくれたらいいなとかってバンドやろうと思った事はある?

フ 無かったかな。昔はそんなことすら考えた事がない。
もっと自分自分だったかも知れない。

熊 楽しい系のバンドって、ライブ行けば楽しいんだけど、
やるってなったら避けるよね。

フ なんでかな。暗くなるよね。

熊 ライブ行けば、乗れば楽しいんだけどさ。
最近、そういうバンド、分かりやすいってのがあるかも知れないけど、多いのかな。って。受けるってのは必然だと思うけど。

フ 何をやれば売れるんだろう。メンヘラの時代は終わったか。

熊 まだあるんじゃない?大森靖子は根強い。

フ 俺はでも、あの人は本当に才能があると思うよ。
何回か見た事あるけど、曲もいいし、あの人は歌詞が凄いんだよね。
客観視できてるみたいな。自分を。
例えば、リストカットしてたとして、部屋で一人で血を流しながら、
窓から見えた夕暮れ。とかそこが歌える人。
そこに到るまでの辛かったっていうプロセスを歌うっていうのは、
割と普通。メンヘラっぽい歌っていうか。
あの人は、その先。それをした時の、その場の情景を、痛みより、もっと空っぽなものみたいな。その虚しさを歌える人だから、才能あるなと思って。
今どうなってんのか知らないけど、中島みゆきクラスの才能だと思う。売り方次第かな。
みゆきちゃんもそういう所があるから、凄く好きだね。
空っぽな部分を持ってるから。坂本慎太郎とかもそうだけど。
あの人の空っぽの部分はどんなに売れても埋まらない部分があるんだろうな。
ゆら帝が好きなら、そういう所を見ないと駄目だよ。っていつも思う。

Y 空洞です。

フ 切ないよ。でも何にも無い俺っていう事をずっと抱いてるんだろうな。って。

Y 視点が広いというか、俯瞰してる感じがあるね。

フ 例えも上手いからね。同じことを何曲も歌ってる。
ロボットでしたもそうだし。まだ生きている。とか。凄いよね。まだ生きているって。

熊 やっぱり、俺達ってライブやってもたまにレスポンスあったり、反応欲しいからエゴサーチもするし。

フ めちゃくちゃやるよ、俺。

熊 俺もめちゃくちゃやるよ。

フ 毎朝やるよ。ライブも何もやってないのに。

熊 俺もバイトの休憩の時、五分に一回くらいやってる。

フ 意外と呟かないよね。直接言われたりはするけど。

熊 ライブの後とかするもんね。

フ するよー。

熊 反応あるものとか、ライブやって盛り上がってくれたりとか、
単純に楽しければいいって訳でもないんだよね。やりたい方向とかも。
それこそ、言葉に表せない感じを受け取ってもらったりとか。

フ どう思ったんだろう?って単純に思うし。
ブログとか書いてくれると凄い嬉しい。あ、そうなんだって発見が凄くある。
前ノイズカシマシのブログを書いてくれた人がいて。

熊 あのDVDの表紙の。(※ ZM WEB 4月9日ライブレポ )

フ そう。アレは解釈してもらえて、発見というか、そういう意識はあったけど、ちゃんと伝わってたし、その先も書いててくれてたから、嬉しかったね。すぐ見つけたし。
ZAIDENも結構早い。 どこにもノイズカシマシって書いてないのに。見つけてきたりする。お客さんのこと把握してちゃんとチェックしてんだろうなーって。

熊 エキスパートだね。

フ そういうところ好きなんだよね。かっこ悪くて。

熊 売れたいとかそういうのは思うけど正直、単純に楽しいってのも嫌じゃない?
だから、四つ打ちみたいなの入れるのも苦手で。
合わないってのもあるし。あからさまにやっちゃうのも凄い苦手。

フ 出来る人がやればいいってのはあるけど、それは理想の話。
理想の話だけど、出来る人がやればいいってのは、
一番の理想では、皆がいい音楽を聴きたい。ってのがあるから、
ハードコア出来るひとはハードコアをやればいいし、
トランスが出来る人は打ち込めばいいし、そこに金が絡んでくるからややこしくなるだけで、本当は根本はそうだと思う。いい音楽を聴きたい。
そこでは誰かを引きずり下ろす必要はないし、戦わなくてもいい筈なんだけど。

熊 音楽なんて価値相対的なものだからさ。自分がいくらダサイとか思ってても、
本当にその音楽をいいって思ってる人もいるから、
それを攻めることは無いわけじゃん?勝手にやればいいって事なんだけど。

(第四部へ続く)

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